ひきこもり状態にある方のご家族のためのセミナー「寺子屋ふぁみりあ」

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セミナー報告

2013年1月

高齢化するひきこもり家族のサバイバルプラン

1月9日(水)、ファイナンシャルプランナーの畠中雅子先生を招き、「高齢化するひきこもり家族のサバイバルプラン」と題して、講演をしていただきました。その後は、受講者からの質問に答えていただきました。

畠中先生のお話の前提となるのは、どんな状況でもお子さんが生活していけることを考えて計画をたてるというものです。

ところが、中には、「わが子がこの先もひきこもりの状態から脱することがないと決め付けるのか」と思われる方もおられるようです。しかし、先生のお話(生活設計)は、この先ひきこもり状態から脱して、何らかの職に就き、その賃金を生活の糧にする、それはそれで良いとして、もしひきこもりの状態から脱することがなくても、また、親がいなくなっても、本人が生活していけることを考えようということです。そのために、何を用意しておけばよいのか、何を用意できるのかを考えるのです。

お子さんが将来どんな状況であっても、生活していけるようにするには、何をこれからしておくほうが良いのか、そのための保険などの具体的な方法をお話してくださいました。

ちなみに、畠中先生の著書が発売されております。『高齢化するひきこもりのサバイバルプラン〜親亡き後も生きのびるために〜』(近代セールス社)。定価は1500円+税。

畠中雅子先生の講演の概要については当日配布したレジュメをもとに作成いたしました。

演題:高齢化するひきこもりのサバイバルプラン〜親亡き後をどうするか〜

サバイバルプランの前提条件としては、親がもつ資産で、お子さんが一生食べていけるプラン(サバイバルプラン)を模索します。それは、「最悪の状況での生活設計を考える」のが、サバイバルプランの前提となります。そこでは、お子さんの(働けるときがきたときの)アルバイト収入などは見込まずにプランを作成します。また、「生活保護の受給は最終手段」と捉えて、親がもつ資産を活用した解決を目指していきます。そして、このプランでは、ひきこもりの状態の緩和や社会復帰などについては言及しません。

プランを立てるには、先ず親の資産の洗い出しをしていきます。自分たち(親)の資産を、不動産、預貯金、有価証券など、すべて時価で書き出していきます。不動産の現在価値を調べることは重要になります。自分たち(親側)の老後にかかる資金設計を再点検をしてみます。年金生活での赤字額をチェックし、自分たち(親側)が介護が必要になったり闘病生活をするようになったりしたときの「親側のリスク」への対応策も検討し、また、妻(お子さんにとっての母)がひとり期の生活設計も立ててみましょう。そして、「親の資産の管理は、誰に委ねられそうか」を具体的に検討し、成年後見制度の活用は資金的に可能かを検討します。

次に、親の「終の棲家」を考えてみます。親側が健康に自信がなくなったり、要介護状態になったりした場合は、早めの住み替えがおすすめですが、「お子さんを残しての住み替えが可能か?」を検討します。子どもの近くに住むか、住居地を分ける覚悟が持てるのかをじっくり検討してみます。自宅での介護となると、「介護度が重くなると、費用がかさむ」ために、お子さんにお金をのこしにくくなります。「介護型ケアハウス」や「介護付有料老人ホーム」などに住み替えられるかも検討します。また、分譲型シニアマンションで親子二人暮らしという選択もあります。

不動産の居住・活用方法の検討もします。不動産の売却価格を客観的に調べます。住まいの選択肢として、@「そのまま住み続ける」としたら、老朽化は大丈夫かを検討します、A「家を建て直す」としたら、資金はどこから捻出するかを検討します、B「自宅を賃貸併用住宅に建て替える」、とありますが、それぞれ検討することがあります。ここで、金融商品型リバースモーゲージを活用する道もありますが、注意点は、申し込めるのは「年収120万円以上の親」という条件があることです。

次に、お子さんの現実と向き合います。「住まいの確保」」が最優先。賃貸住まいだと、親が遺すべき資産額が増えることになります。親の資産で、お子さんは何歳くらいまで生活できそうかを、ざっくりと計算してみます。電気代・ガス代・水道代・電話代などのライフラインは、今のうちにお子さん名義に変更するのがよいでしょう。そして、国民年金の加入状況の確認をして、滞納している場合は、申請免除や一部納付の活用をします。また、治療歴がすでにあるか、親だけの受診かで、保険の選択肢が変わってきます。

お子さん一人期の生活費についてですが、住まいがあれば、「ひと月10万円程度」を目安に生活設計を立てます。賃貸の場合は家賃分を上乗せし、住居費の有無が生活設計に大きな差を生むことになります。そして、お子さんが自分でご飯を炊けるように、訓練しておくことが必要になります。おかずはネットスーパーや宅配を利用して、外出しなくても食べる方法はありますので。また、固定資産税や国民健康保険料の支払い方法や減額の手続きを検討しておきましょう。

それから、お子さん自身の手続きに向けてですが、金融機関や保険会社などの連絡先リスト、口座番号リストを作成しておきます。お子さんが外出できるならば、自治体の窓口に出向いて、手続き場所や手続き方法を教えておくのも大事なことです。また、お子さんが困ったときには、どこに、どのように相談するべきなのかをノートにまとめておきます。成年後見人を頼むならば、親が健在のうちに後見人に引き合わせて、関係性を築いておきましょう。

兄弟姉妹との関係を考えてみます。親の「すまない」という思いを、ひきこもっているお子さん以外の兄弟に「口頭で」伝えます。遺言書以外に「エンディングノート」を作成して、親の思いを書き記すと、なお良いです。つまり、ひきこもっていないお子さんへのすまない気持ちは文書でも残しておくのがなお良いのです。兄弟が成年後見人になれるか、無理(嫌)かを、早い時期に確認しておきましょう。専門職後見人に頼むと数百万円は必要になります。一時払終身保険に入って、家を相続させられないお子さんに現金資産を遺す方法も検討します。

保険を活用した資産継承についてですが、相続対策には終身タイプの保険(変額終身保険が有利)の活用も検討します。これならば、子どもたちに残す金額を取り分けることもできますし、保険ならば遺留分に縛られずに保険金を遺せます。「生命保険信託」ならば、遺したい子どもに、遺したい金額を確実に遺すことができます。

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